休み明けの神戸新聞杯で秋の初戦を制覇したサトノダイヤモンド。ミッキーロケットに詰められながらも、最後は譲らず力強さを見せた。ステップレースの神戸新聞杯としては悪くない内容で、もちろん最大の目標は菊花賞だ。
しかし、瞬発力など弱点が拭い去れていない点は気になるところ。期待された夏を超えての上積みも思いのほか少ない可能性が高い。人気上位は間違い無しなだけに、オッズの兼ね合いで期待値はおえないかも知れない。
サトノダイヤモンドは言わずと知れたディープインパクト産駒。新馬戦から3戦目の、きさらぎ賞までどのレースも2馬身以上突き放す圧勝のレースを見せ、皐月賞で敗れるまでは父に続く三冠も期待されていた。
しかし、その皐月賞はこの馬にとっては距離が短かったという見方が出来る。次のダービーでは、マカヒキに最後で競り負けたものの、2400mになって皐月賞のときよりも、この馬の持ち味である最後の直線での伸びが活かしきれた。
脚質的には先行タイプではないことと、上がり3ハロンを33秒台で走れる脚から、道中のペースがさほど速くならない2400m以上のレースでこそ真価を発揮できる馬だといえる。
人気を分かつディーマジェスティ
ダービー馬のマカヒキをはじめ、ゼーヴィント、スマートオーディン、ヴァンキッシュランなど有力馬が参戦しない今回は、大きなチャンスでもある。使ってよくなるタイプだろうし、ベストの距離ではないだろうが京都3000も問題のない条件だと考えてよさそう。
相手の筆頭として考えられるのは、ダービーではサトノダイヤモンドに次ぐ3着となった皐月賞馬ディーマジェスティー。この馬も同じディープインパクト産駒で、適性なども似た馬だと言えるが、サトノダイヤモンドよりも更に後ろから行く馬だ。
種牡馬入りし、初年度から活躍を続け今ではリーディングサイアー不動の地位を得たディープインパクトだが、未だ菊花賞での勝利はない。里見治オーナーも高額馬を購入することで名を馳せ、実績も重ねてきているが、GⅠ制覇は達成しきれていないだけに、サトノダイヤモンドに掛かる期待は非常に大きい。
1週間前追いきりも僚馬に三馬身先着と好調。鞍上のC.ルメール騎手も気合十分。天才騎手が悲願のG1制覇をもたらすか。