菊咲く夢の王道、若者のすべての想いを古都に刻み込む。
菊花賞のヘッドラインが発表されました。「菊」や「若」と言うキーワードは菊花賞であることを考えると毎年出てきてもおかしくないキーワードなので、サインとするには若干根拠の薄いワードとなります。
過去掲載分と比較してみましょう。
2011年:若き実力者の真価、菊咲く王道にこそ偉業は語られる。
2012年:長距離に刻む矜持、菊一冠に世代の頂点が決する。
2013年:歴代に誓う信念、揺るがぬ実力だけが菊を咲かす。
2014年:憧憬の菊冠に専心、若き実力者の覇道にその名を刻む。
今年にリンクしそうな部分を太文字にしてみました。特に菊咲く王道などは単語ではなくフレーズ単位で引用されているあたり、何か因縁めいたものを感じますね。2011年の菊花賞馬はオルフェーヴルです。オルフェとリンクするといえば全弟アッシュゴールドですが、残念ながら菊花賞へのエントリーはならず、長岡京Sへ向かうそうです。
さて、話が脱線しましたが、オルフェーヴルと直接リンクする馬はいないということは、この見立ては間違っていたかとも思ったのですが、厳密に見ると今年の「菊咲く夢の王道」と2011年「菊咲く王道」では今年のほうが「夢の」のぶんだけ多くなっていますね。
つまりリンクさせるべきはオルフェーヴルではなくオルフェーヴルに夢を阻まれ続けたウインバリアシオンとリンクする競走馬を指し示しているのではないでしょうか?ダービー、神戸新聞杯、菊花賞、果てはオルフェーヴルの引退レース有馬記念と合計4度もオルフェの後ろ2着でのレースをしています。唯一先着したレースは2012年春の天皇賞のみで、このレースはオルフェーヴルが11着の大敗を喫した結果であり、実力で上回っての勝利とは言いがたいものです。
その無念を汲み取るウインバリアシオンと言えば誰があてはまるでしょうか。順調に行けば今年3歳馬になる全弟はいるにはいるのですが、シルクから一口馬主の募集をしたものの体調面からかうまく行かずファンド解散、馬主も見つからずその後の音沙汰もわかっていないような状況のようです。
ファミリーラインでの繋がりはなさそうなので、ではハーツクライ産駒は、とも思ったのですが、こちらもゼロ。ウインからの出馬もなく、ウインバリアシオンの松永厩舎からも出走なし。この路線は面白いと思ったが、これも外れっぽいですね。
ヘッドラインからサインを読み取るのは諦めようかとも思ったのですが、もう一点気になるワードが若者、という言葉です。これは冒頭でも紹介したとおり菊花賞ならば使われてあたりまえの言葉なのでサインとしては微妙というのは変わらないのですが、過去を見返して思ったことは「若き実力者」という言い回しを2回も使っている割には、若者というのは使っていないということです。
どう見ても若き実力者よりは若者のほうが一般的で使いやすいと思うのですが、若き実力者を使いたがる風潮でもあるのでしょうか。では、なぜ今回わざわざシンプルな若者を採用したのか。これが気になった時に、同週開催である富士ステークスへ出走する「ヤングマンパワー」の名前がひらめいてしまったのです。
今回のこのヘッドラインのサインは実は菊花賞ではなく、土曜日開催の富士ステークス「ヤングマンパワー」へのサインではないのでしょうか?